レガーメ合同会社は、このたび 一般社団法人OSAKAゼロカーボン・スマートシティ・ファウンデーション(OZCaF/オズカフ) に参加団体として正式に加盟いたしました。OZCaFは、大阪府公民戦略連携デスクを中核に、環境省 近畿地方環境事務所、近畿経済産業局、府内市町村、企業、大学等が連携して設立された、2050年カーボンニュートラル実現を目指す 官民共創のビジネスプラットフォーム です。
香川県高松市を拠点とする当社が、なぜ大阪を起点とする脱炭素プラットフォームに参画するのか。本記事では、OZCaFの組織像と昨今の脱炭素を巡る環境変化を整理しながら、その意図と今後の関わり方についてお伝えします。
OZCaFとは ― 「啓発」ではなく「実装」を担う官民共創組織
設立の背景と組織の骨格
OZCaFは 2021年(令和3年)7月27日 に設立された一般社団法人です。気候変動という地球規模の課題に対し、行政・大企業だけでは解決が難しく、地域に根ざした中小事業者や大学・NPOも含めた多層的なプレーヤーが協働する場が必要である ― そうした課題意識が、大阪府公民戦略連携デスクと民間企業との対話のなかから具体化したものとされています(出典:OZCaF公式サイト)。
体制の特徴は以下の通りです。
- 会長:吉澤 政套氏(株式会社レックスホールディングス 代表取締役社長)
- 代表理事:田中 靖訓氏(大阪府スマートシティ戦略 兼 公民戦略連携デスク エグゼクティブアドバイザー)
- 会員規模:約3,000団体(2025年3月31日時点・企業、大学、自治体、NPO等を含む)
- 大阪府との連携:令和4年(2022年)6月23日にスマートシティ推進に関する連携・協力協定を締結
注目すべきは、OZCaFが単独の協議会にとどまらず、姉妹組織である一般社団法人JAPANゼロカーボン・スマートシティ・ファウンデーション(JaZCaF)を通じて、全国規模での波及を視野に入れている点です。大阪・関西万博を契機としつつ、活動の射程は関西圏に閉じていません。
具体的に動いている事業
OZCaFが提供する価値は、議論や宣言にとどまらず「動いているプロジェクト」にあります。代表的な活動を挙げます。
- 大阪・関西万博との連動:公式アプリ「EXPOグリーンチャレンジアプリ」を、関連団体JaZCaFと共同で開発・運営
- 大阪脱炭素・サーキュラーエコノミービジネスコンテスト:中小企業の脱炭素関連事業の事業化を後押しする年次コンテスト(大阪商工信用金庫との共催)
- ワーキンググループによる実証事業:府内市町村と連携した社会実装(例:枚方市での「空飛ぶクルマ」飛行実証など)
- カーボンニュートラル経営に関するセミナー登壇:摂津市商工会、東大阪商工会議所など、自治体・経済団体と連携した実践的な学びの場の提供
- OZCaF TV:加盟企業・行政団体の脱炭素事例を発信するメディア(ライブ配信を含む情報番組)
「コンテスト」「実証実験」「メディア発信」というように、フェーズの異なるアウトプットが組み合わさっており、加盟企業はそれぞれの関心やリソースに応じて関わり方を選択できる構造になっています。
脱炭素は「大企業の課題」ではなくなった ― データで見る変化
4社に1社が、取引先から脱炭素対応を要請されている
近年、脱炭素を取り巻く環境は、中小企業にとっても無視できない位相に移行しています。日本商工会議所・東京商工会議所が2024年に公表した「中小企業の省エネ・脱炭素に関する実態調査」によると、取引先から温室効果ガス排出量の把握・測定などの脱炭素関連の要請を受けている中小企業は25.7%に達しています(出典:日本商工会議所「中小企業の省エネ・脱炭素に関する実態調査」集計結果)。
背景にあるのは、大企業を中心に進む 「スコープ3」(自社のサプライチェーン上流・下流を含む温室効果ガス排出量)の算定・開示の動きです。発注元企業がサプライチェーン全体のCO2排出量を把握しようとする以上、その取引先となる中小企業にも、排出量データの提供や削減への協力が求められるようになっています。
金融庁は2024年2月、上場企業に対して温室効果ガス排出量の開示を義務づける方向性を示しています。上場企業の対応が進むほど、その取引先である非上場・中小規模の事業者にも、要請が連鎖していくことが想定されます。
取り組みの最大の壁は「マンパワーとノウハウの不足」
同調査では、脱炭素に取り組むうえでのハードルとして 「マンパワー・ノウハウが不足」と回答した企業が56.5% にのぼっています。続いて「具体的な算定方法が分からない」(33.1%)、「資金が不足」(26.2%)が挙げられており、課題は資金面にとどまらず、そもそも「何をどう測ればよいか」という知識・知見の問題が大きいことが示されています。
裏を返せば、中小企業が脱炭素に踏み出すためには 「知識を得られる場」と「相談できるネットワーク」 へのアクセスこそが、最も実効的な支援になり得るということでもあります。OZCaFのようなプラットフォームが価値を持つのは、まさにこの点においてです。
レガーメ合同会社が入会を決めた3つの理由
当社は香川県高松市を拠点に、Web集客コンサルティングやコンテンツ制作を通じて、企業の情報発信を支援する事業を行っています。「情報を整え、伝え、届ける」という本業のなかで、社会課題と企業活動の接点をどう設計するかを、クライアントとともに考える機会も増えてきました。
これまでにも、植林活動の支援や複数のCSR施策への賛同を通じて、環境テーマには継続的に関わってきました。一方で、「賛同」という意思表明だけでは届かない領域があるという実感もありました。OZCaFへの参加は、その課題意識を踏まえた選択です。理由を3点に整理します。
理由1:行政・大企業・中小企業・大学が「同じテーブル」につく場であること
脱炭素に関する情報は、官公庁の白書や大企業の統合報告書のなかに数多く存在しますが、それらは規模感や業種が異なると、自社にとっての示唆を読み解くのが容易ではありません。OZCaFは、立場の異なる約3,000の団体が議論・連携する場であり、規模の異なるプレーヤーの実例に触れられる点に、独自の価値があると判断しました。
理由2:本業との接続点が明確であること
当社の本業は、Webメディアや記事コンテンツを通じた情報発信支援です。脱炭素やサステナビリティへの取り組みは、自社で実施するだけでなく、取り組みを「正しく、わかりやすく伝える」こと もまた重要なテーマであり、中小企業の現場では多くの場合、後者で課題に直面しています。OZCaFで得られる事例や知見は、クライアント企業の発信支援に直接的に活かすことができると考えました。
理由3:大阪発・全国展開のモデル性
OZCaFはJaZCaFを通じて全国への波及を志向しており、活動内容は「大阪ローカル」のものに限られません。香川県を拠点とする当社にとっても、地方都市の中小企業がどのように脱炭素経営に向き合えるかというモデルを学べる点で、地理的な距離は本質的な問題にならないと判断しました。
今後の関わり方 ― 3つの方針
入会後の取り組みは、当社の規模と本業を踏まえ、無理なく、しかし継続できる形で次の3点に整理しています。
1. 学びのインプットと社内への定着
OZCaFが提供するフォーラム、セミナー、OZCaF TV等を通じて、脱炭素経営・サーキュラーエコノミー・スコープ3対応などに関する最新動向を継続的に学び、社内で共有してまいります。インプットの目的は「知っておくこと」ではなく「クライアントへの提案や情報発信に活かせる解像度を持つこと」に置きます。
2. クライアント企業のサステナビリティ発信を支援する
環境省の「中小規模事業者向けの脱炭素経営導入 事例集」でも触れられている通り、中小企業が脱炭素に取り組む際には、「取り組んでいる事実を、社内外にいかに伝えるか」が事業上の価値創出に直結します。当社は本業の領域から、クライアント企業のサステナビリティ発信(コーポレートサイト、オウンドメディア、プレスリリース等)を支援することを、最も貢献度の高い活動と位置付けます。
3. 自社の業務における環境配慮の継続と見直し
これまで継続してきた自転車活用や植林活動への支援を維持しつつ、業務における電力使用、ペーパーレス化、出張・移動手段の選択など、日常業務のなかで見直し可能な領域を、段階的に整理してまいります。「測る」段階から始め、無理のないペースで「減らす」フェーズへと進めていくことを意識しています。
おわりに ― 地域に拠点を置きながら、広域の課題に関わるという選択
気候変動という課題は、ひとつの自治体や一企業の取り組みだけで解決できる規模を、すでに大きく超えています。一方で、抽象的な「地球規模の課題」として語っているだけでは、企業活動の現場では何も動きません。具体的な動きをつくるには、規模や立場の異なるプレーヤーが、共通のテーブルで実装可能な打ち手を持ち寄る必要があります。
OZCaFはまさにそのテーブルであり、当社のような中小規模の事業者にとっても、参加する価値のある場であると考えています。香川県高松市という地域に拠点を置きながら、大阪発の広域的な枠組みに関わる ― このバランスを大切にしながら、本業を通じて、できることから着実に積み重ねてまいります。
