レガーメ合同会社(https://legamellc.co.jp/)は、2023年9月、アイヌ文化への理解と尊重を広める「イランカラㇷ゚テ」キャンペーンのサポーターに登録いたしました。本キャンペーンは、国・自治体・学術機関・アイヌ関係団体により構成される「イランカラㇷ゚テ」キャンペーン推進協議会が推進する公的な普及啓発活動で、公益財団法人アイヌ民族文化財団が中心的な役割を担っています。
当社は、多様性を尊重し、誰もが自分らしく生きられる社会づくりに寄与することを企業活動の指針の一つに据えており、本キャンペーンへの参加もその一環として位置づけています。本記事では、キャンペーンの正確な概要、当社の参加理由、そして取り組み方針について、公式情報に基づきお伝えします。
「イランカラㇷ゚テ」とは ― 言葉の意味と公式メッセージ
「イランカラㇷ゚テ(irankarapte)」は、アイヌ語の挨拶です。一般的には「こんにちは」と訳され、アイヌ語の教本などでは「やや丁寧な挨拶」として紹介されています(出典:「イランカラプテ」キャンペーン公式サイト キャンペーン概要)。
本キャンペーンに関連してよく知られている「あなたの心にそっと触れさせていただきます」という解釈は、アイヌ文化の継承に尽力された故 萱野茂氏(1926-2006、元参議院議員)による表現です。この解釈について、公式サイトでは「学術的な語源解釈としてアイヌ語学者の間で一般的に共有されているとはいえない」と明記されており、推進協議会は言葉の語源・原義としてではなく、「イランカラㇷ゚テ」キャンペーンのメッセージとして、この温かい解釈を伝えています。
当社としても、この区別を尊重し、本記事においても「語源」と「キャンペーンのメッセージ」を混同しない形で取り扱います。文化に関する発信では、こうした正確性こそが当事者への敬意につながると考えるためです。
キャンペーンの背景と現在 ― 公的枠組みのなかでの位置づけ
「イランカラㇷ゚テ」キャンペーンは、アイヌ文化等の普及啓発をより一層推進するため、平成25年(2013年)7月に「イランカラㇷ゚テ」キャンペーン推進協議会が立ち上げられ、同年8月28日に新千歳空港でのキックオフセレモニーを経てスタートしました。平成25年度から平成27年度までの3年間が重点実施期間とされ、その後も継続的に展開されています。
キャンペーン推進協議会は、国・自治体・学術機関・アイヌ関係団体により構成されており、内閣官房アイヌ総合政策室、北海道、公益財団法人アイヌ民族文化財団(旧:アイヌ文化振興・研究推進機構)などが中心的な役割を担っています。賛同する民間企業や個人は「サポーター」として参画する形となっており、当社もこのサポーター制度のもとで登録しています。
また、2019年に施行された「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律(アイヌ施策推進法)」では、アイヌ文化の振興と国民理解の促進が国の責務として明記されました。2020年には北海道白老町に民族共生象徴空間「ウポポイ」が開業し、文化継承の拠点としての役割を果たしています。「イランカラㇷ゚テ」キャンペーンは、こうした法的・社会的な枠組みと連動しながら、相互理解の推進に貢献する取り組みです。
レガーメ合同会社がサポーター登録を決めた理由
当社は創業以来、地域社会との共創と多様性の尊重を企業文化の根幹に据えてきました。事業活動を通じて多様な背景を持つ方々と関わるなかで、日本には独自の言語・歴史・文化を育んできた人々が暮らしているにもかかわらず、その存在や知見が必ずしも広く共有されていない現状にも触れてきました。
アイヌの人々は、北海道を中心に独自の言語、信仰、自然観を育んできた、日本の先住民族です。北海道にある市町村の約8割の地名がアイヌ語に由来しているとされ、東北地方北部にもアイヌ語に由来する地名が残っているといわれています。私たちが日常的に使う「ししゃも」「トナカイ」といった言葉もアイヌ語起源とされ、その文化は私たちの暮らしと深く結びついています。
こうした事実を「正しく知ること」「敬意を持って受けとめること」「次の世代へ伝えること」は、包摂的な社会を築くうえで欠かせない営みです。一方で、企業が文化的に繊細なテーマを単独で発信することには、誤った解釈を広めてしまうリスクが伴います。だからこそ当社は、信頼性の高い公的キャンペーンの枠組みを通じて、当事者および専門機関の発信に学びながら参加することが、最も誠実なアプローチであると判断しました。
当社の取り組み方針 ― 「正しさ」を最優先に
登録後、当社では以下の3つの方針に沿って取り組みを進めています。
1. 公式ロゴマークの適切な掲出
キャンペーン公式ロゴマークを自社ウェブサイトに掲出し、サポーターとしての立場を継続的に明示しています。掲出にあたっては、推進協議会が定めるロゴ使用上のルールを遵守し、文化的に適切な文脈での利用を徹底します。
2. 一次情報への誘導を基本姿勢とする
当社が独自に「アイヌ文化を解説する」のではなく、信頼できる一次情報源——公益財団法人アイヌ民族文化財団、民族共生象徴空間「ウポポイ」、北海道庁アイヌ政策課などの公式発信——へ橋渡しすることを基本姿勢としています。文化の正確な理解は、当事者および専門機関による発信が最も適切であると考えるためです。
3. 社内における継続的な学習
アイヌ文化の歴史的背景や現代における取り組みについて、公的機関が公開する一次資料や公式施設の情報を活用しながら、社内での学習機会を継続的に設けてまいります。一過性のイベント参加ではなく、日々の業務における姿勢へと反映させていくことを重視しています。
「知ること」から始める ― 企業として果たすべき姿勢
持続可能で包摂的な社会の実現には、これまで十分に知られてこなかった文化や歴史に光を当て、敬意をもって学び続ける姿勢が欠かせません。一方で、企業による「文化への賛同」は、表面的な姿勢の表明にとどまってしまえば、かえって本来の理念を損なう恐れもあります。
だからこそ当社は、「自社が何を語るか」よりも、「当事者と専門機関の声をいかに正確に伝えるか」を意識した発信を心がけます。「イランカラㇷ゚テ」キャンペーンが目指す相互理解の精神は、企業内外のあらゆるコミュニケーションにも通じるものであり、当社の組織運営の指針としても受けとめています。
レガーメ合同会社は、今後もアイヌ文化への理解促進をはじめとする多様性尊重の取り組みを継続し、社会の一員としての責任を果たしてまいります。

