レガーメ合同会社は、瀬戸内海に面した 香川県高松市 に拠点を置いています。瀬戸内海は気候が温暖で潮流に変化があり、四季を通じて多様な魚介に恵まれた海として知られています。サワラ、タイ、タコ、メバル、ハマチ、イカナゴ、オリーブハマチ ― 高松の食卓には、その季節ならではの瀬戸内の海の幸が並びます。
普段、何気なくいただいている海の幸ですが、それは漁に出てくださる漁師の方々がいてこそ成り立つものです。当社では、漁師という職業を次世代に継いでいくための取り組みに敬意を表し、このたび 一般社団法人 全国漁業就業者確保育成センター が運営する「漁師.jp」のPRパートナーを務めさせていただくこととなりました。
数字でみる、日本の漁業がいま直面している課題
20年で就業者数がほぼ半減 ― 漁業就業者の現状
「漁師.jp」を語る前に、日本の漁業がいま置かれている状況を、データで確認しておきたいと思います。
水産庁の資料によれば、日本の漁業就業者数は2003年に23万8千人だったものが、2023年には約12万1千人 へと、わずか20年でおよそ半数にまで減少しています。平均年齢は 57.1歳、40歳未満の若手の割合は17.8% にとどまります。さらに現状の傾向が続いた場合、2048年には6.7万人にまで減少するとの推計も示されています(出典:水産庁「水産をめぐる事情について」)。
漁業就業者の減少は、単に「現場の人手が足りない」という問題ではありません。漁法・潮の読み方・海域ごとの特性といった、文書化されていない経験知の継承が途切れることを意味します。地域ごとに固有の漁業文化、伝統的な漁具・漁法、ひいては漁村コミュニティそのものが、世代交代を経ずに途絶えてしまうリスクが、いま現実に進行しています。
「魚を食べる文化」と「漁師の存在」は地続きである
当社が拠点を置く香川県を含め、瀬戸内海沿岸の食文化は、地元の漁師が日々水揚げする魚介によって支えられてきました。スーパーや飲食店で目にする「地物」「瀬戸内産」という表示の背景には、海に出る人がいて、市場に届ける流通があり、調理して食卓に並べる地域の暮らしがあります。
漁師という職業が継続的に存在することは、その地域の食文化が次世代に引き継がれることと、不可分につながっています。漁師の確保・育成は、漁業者個人の問題でも、水産業界だけの問題でもなく、地域全体の食と暮らしを守る取り組みでもあるのです。
漁師.jpとは ― 日本で唯一、漁業の担い手を全国規模で支える専門機関
運営は全国漁業就業者確保育成センター
「漁師.jp」は、東京都品川区に所在する 一般社団法人 全国漁業就業者確保育成センター が運営する、漁業就業希望者と漁業者をつなぐ専門ポータルサイトです。同センターは、漁業の担い手を「増やす・育てる・定着を支援する」ことを目的に活動する、日本で唯一の全国規模の専門機関と位置付けられています(出典:全国漁業就業者確保育成センター公式サイト)。
主な活動は、漁業に関心を持つ人と、人材を必要とする漁業者を結びつけることに集約されますが、その手段は多岐にわたります。代表的な事業を整理すると次の通りです。
- 漁業就業支援フェア:東京・大阪・福岡で開催される、全国の漁業者と就業希望者のマッチングイベント。2002年から20年以上にわたって毎年開催
- 漁業ガイダンス・セミナー:全国の水産高校や中学校・普通高校を訪問し、漁業の魅力を伝える出前セミナー。近年は大学生向け「漁師就活セミナー」のオンライン開催にも対応
- 漁業求人情報の集約:全国規模で漁業の求人情報を集約・掲載するWeb上のプラットフォーム
- 支援制度の情報提供:都道府県・市町村ごとの新規漁業就業者向け支援制度を一元的に検索できる仕組みの整備
- 漁師.jpサポーター制度:新人漁師の定着率向上を目指し、職場環境や安全対策に取り組む漁業者を「サポーター」として位置付ける制度(2022年4月開始)
「漁師の日」の制定 ― 職業としての可視化
同センターの取り組みのなかで、社会的なメッセージ性が強いものとして、「漁師の日」の制定があります。国民の祝日「海の日」(7月第3月曜日)と同じ日を「漁師の日」とし、2022年7月18日に日本記念日協会より正式に登録認定を受けたものです。
漁師という職業を社会の認知のなかに位置付けること、また漁師自身にとって祝日とあわせて家族と過ごせる一日となるようにとの願いが込められています。職業として漁師を「選択肢のひとつ」と認識してもらうための、息の長い社会啓発活動の一環といえます。
漁師.jpでできること ― 興味から就業まで、段階に応じた情報設計
漁師.jpのWebサイトを訪れると、漁業に関心を持つ人が「興味を持つ → 知る → 体験する → 就業する → 定着する」という各段階で必要となる情報に、段階的にアクセスできる構造になっています。
- 全国規模の 漁業求人情報 の検索・閲覧
- 東京・大阪・福岡で開催される 漁業就業支援フェア や各地のセミナー情報の取得
- 沿岸漁業・沖合漁業・遠洋漁業・養殖業など、漁業の種類や漁法 の理解を深めるためのコンテンツ
- 都道府県・市町村別の 新規漁業就業者支援制度 の一覧と検索
- 実際に漁師として働く方々の 体験談・暮らしぶり の紹介
- LINE公式アカウントでの最新情報配信
これらに加え、YouTube、Instagram(@ryoushijp)、X(旧Twitter)でも、漁業や漁師の暮らしに関する情報が日常的に発信されています。動画やSNSを通じて漁師の仕事を「見える化」していくことは、職業選択の入口に立つ世代へのアプローチとして、極めて重要な取り組みです。
レガーメ合同会社がPRパートナーとして取り組むこと
当社の本業は、Webコンテンツの制作と情報発信の支援です。漁業の担い手不足という課題に対し、香川県の小さな会社にできることは決して大きくはありませんが、本業の領域から具体的に貢献できる切り口はあると考えています。
具体的には、漁師.jpの取り組みを当社サイトやSNSを通じて広く伝えていくこと、漁業の仕事に関心を持つ方々に対して必要な情報が届きやすくなるよう発信していくことを、PRパートナーとしての役割と位置付けています。情報を整え、伝え、届けるという本業の延長線上で、漁業の担い手育成という社会課題に長く関わっていきたいと考えています。

おわりに ― 食卓に魚があり続けるために
瀬戸内の魚が、これからも私たちの食卓にあり続けるためには、海に出る人がいなくなる未来を、私たち自身が選ばないことが必要です。漁業の担い手を育てる取り組みは、漁業界の内部だけで完結する課題ではなく、魚を食べる側の私たち全員に関わるテーマだと、当社は考えています。
漁業に関心のある方、就業を検討してみたい方は、ぜひ一度「漁師.jp」をご覧いただければと思います。当社も、PRパートナーとして、できることを継続してまいります。
